太陽熱調理器
　ソーラークッカー

日本のような先進国では、スイッチを「パチッ」と入れるだけで電気をつけたりコンロに火をつけたりすることができる。毎日無意識に「パチッ、パチッ」といろんなエネルギーを使っているけれど、実はこんなこと考えてみたことある？

• 電気の力は化石燃料から作られている
• 化石燃料は限りある資源で20〜50年後にはなくなってしまうと言われている
• 化石燃料は使うときだけでなく、採掘し精製するときも汚染物質を大量に発生し地球温暖化を進めている
• 京都議定書は全世界が温暖化ガスの発生を減らさなければならないといっている

先進国に住む私たちは恵まれている。なぜって「パチッ」と入れるスイッチを見たこともない人は世界に大勢いるのだから。

黒い鍋がなかったので茶色い急須で代用。でもちゃんとご飯が炊けたよ。

世界人口の約半分の人たちは焚き火でご飯を炊き、世界で消費されている木材の45％が燃料として燃やされている。でも世界の森林資源はますます乏しくなり、すでに24億人の人々が薪不足で困っている。

同時に森林破壊が肥沃な表土を洗い流し、気候も変えて洪水と干ばつを繰り返すようになり、環境をますます破壊し、ますます貧困と飢餓を増やしている。

かまども煙突もない屋内で薪を燃やすと不完全燃焼の煙が立ちこめ、この煙が呼吸器官障害を起こし、年間少なくとも500万人の子供たちを死亡させている。

同時に世界で数百万人もの人がきれいな飲み水を確保することができず、汚い水を飲んで病気にかかり死んでしまう人がたくさんいる。特に子どもたちに多い。世界保健機関（WHO）によると、不衛生な飲み水からの感染が、世界中の罹病原因の80％を占めるという。

数百万本の木を救い、きれいで安全な飲み水を用意し、煙も出さず、わずかな材料費だけで後は燃料も買わなくてすむ、簡単だけど効果バツグンの方法がある。段ボールで太陽熱調理器（ソーラークッカー）を作ること。

いらなくなった段ボールの大半がごみとして捨てられている。段ボールをリサイクルすれば木を救い、水を救い、汚染を防いでエネルギーを節約できる。

だけど60箱の段ボール箱をリサイクルしてやっと木を１本救うことができるのに比べ、段ボールからソーラークッカーを作ればたった１個で１本の木を救うことができる！　今年だけでなく、来年も、再来年も。

• ソーラークッカーを使うと、薪使用量を36％減らすことができ、一家族につき毎年500キログラムの木材が節約されるため、何百万本もの木が救われることになる。
• ソーラークッカーは煙も汚染ガスも出さない
• ソーラークッカーは水を消毒できる。水は摂氏62.8度で20分間加熱するとほとんどの病原体を殺すことができ、この温度ならソーラークッカーは簡単に作り出すことができる
• ソーラークッカーは曇の日でも使える
• ソーラークッカーは数百万人もの女性が毎日数時間（もしくは毎週数日間も）薪探しに費やさなくてすむ。女性たちは節約できた時間で家族の世話をみたり、家族が食べる野菜や家畜を育てたり、教育を受けたりすることに使うことができる。女性が教育の機会を得ることは人口抑制の「鍵」だ。

手前にあるのが「CookIt」ソーラークッカー。後ろのテーブルにあるのが箱形のソーラー・ボックス・クッカー。その他にもいろんなタイプがある。

• ソーラークッカーの作り方
• 子どもでも作れる簡単ソーラークッカー
• 太陽熱でご飯を炊こう
• ソーラー・クッキング・レセピ
• 無料エネルギー
• きれいな飲み水
• ソーラークッカーがどうやって世界の森林を守っているか
• 適正技術について
• エネルギー問題について
• 汚染と廃棄物リサイクル

ソーラークッカーはすでに世界中のあちこちで使われ、人々の生活を向上し環境を守るために役立っている。

だけどもっと効率的なソーラークッカーのデザインや技術も求められている。まだまだ技術革新の余地がたくさんあり、「理想的なソーラークッカー」はまだ誕生していない。いろんなデザインのソーラークッカーを56種類も掲載したウェッブサイトもあるけれど、良いものが多くても、完璧なクッカーはまだない。

これはアイデア一杯の子どもたちが突破口を開くことができる分野。なるべく少ない材料でなるべく簡単に作れて、最も早く効率的にご飯を料理できるソーラークッカーを開発して、途上国で働いているNGOの人たちに教えてあげよう！

詳しくはこちら。

ソーラークッカーのページ
ソーラークッカーに関する情報集