インターネット新しい、今までと違う、私たちの暮らし方から考え方まで全てを変え始めているもの、驚くべき郵便局、史上最大かつ最高の図書館、将来の教育文化、希望、そして人々の力。それがインターネット。
でも、実際インターネットって何なのだろう?
短い答えはハードウェア。インターネットは数十万個のサーバー・コンピュータと、それらをつなぐ通信ネットワークから構成されている。「パケット・スイッチング」という技術がデジタル情報を細分し、一番ラクな通り道を使って送り、到着先で情報を組み立て直す。
だからインターネットは遠距離でも電話より安くつき、電話より送受信に少し時間がかかる。パケット・スイッチングがなければ、インターネットもなかった。方々に分散されたシステムだから、だれもインターネットを独占することも意のままにコントロールすることもできない。インターネットは誰の物でもない、みんなの物だ。
でも普通インターネットというと、電子メールや電子掲示板、チャット、そしてワールド・ワイド・ウェッブなどのソフト的な物を意味することが多い。なかでもウェッブは近年におけるインターネット急成長の主な推進役で、他の機能をのみこみながらどんどん発展している。
インターネットのなにがそんなに重要なのか?今後の可能性に比べると、現在のインターネットはまだまだ生まれたばかりの赤ん坊でしかない。
それでもすでにインターネットが私たちの生活のあちこちを変え始めている。勤務形式や物の買い方売り方、人との出会いや社会と環境への取り組み方が、インターネットの発達により変わってきている。ホームページで注文して商品を宅配してもらった方が、店まで運転して行って買って来るよりエネルギー消費が少ない。企業側も販売店を新設するより、ホームページを作る方がよっぽど安くつく。
E商売の普及により店やビルの建築が減り、それだけで2010年までに二酸化炭素の排出を3億メートルトン減少できるだろうとアメリカの環境保護局は推測している。
経済が発展する一方でエネルギー消費は史上初めて減少した、その主要因はインターネット利用の普及だと、アメリカの別のエネルギー調査も発表している。今まで経済発展はすなわちエネルギー消費と汚染の増加を意味していた。
ネット上ではみんな平等大企業がお金をかけて作ったホームページだからといって、十代の子供が作ったページより人気を集めるとは限らない。逆に企業の広報部の専門スタッフより子供の方がインターネットの何たるかを把握していて、魅力的なページを作ることも多い。ネットサーファーたちは売り込みページを軽蔑し、きらびやかなトリックにも白け、さっさと別のページに行ってしまう。
1999年に巨大総合化学企業のモンサントがターミネーター技術の商業化を断念しなければならなかったとき、世界的キャンペーンを張って圧力をかけたのは、RAFI (Rural Advancement Foundation International 国際農村発展基金)という小さなNGOの5人のスタッフとコンピュータとインターネットだった。
インターネットによる世界的なネットワークと情報が広がるスピードが、市民運動に新しい可能性と動きを広めている。
新しい動き私たちの考え方も変わってきている。インターネットは受け身ではいられない初めてのメディア。テレビを見ているときよりインターネットを使うときの方が、自分の選択と決断を知らず知らずの内に使っている。そして自分で選び決めることが他の場面でもだんだん習慣になってくる。インターネットの利用者は「マーケティング」が考える受け身的な消費者、均一的な「マス」の枠にだんだん当てはまらなくなってくる。みんなが自分で考え始めるから。
相互コミュニケーションが増えるのは良いことだ。より多くの人の考え方に触れた方が、一辺倒の誤解や偏見などの障壁を崩しやすい。いまインターネットを使って前代未聞の量のコミュニケーションが交わされている。ニュースグループだけでも1日に75万メッセージが掲示され、メールやチャットではそれ以上活発におしゃべりや議論が情報交換が行われている。
ネットの上では一般的にみんな協力的で寛大で、親切に新しい参加者や他の人に手をかしている。見も知らない人のために細かくアドバイスしてあげたり、何の報酬もないのにものすごい労力をかけた貴重な情報を無料で公開したりして、みんなのデータベースの構築に貢献している。人間は欲と自己利益からしか行動しないなんて嘘のようだ。
多くのインターネットグループは自分たちでグループをまとめ上手く管理し、公平な責任ある行動がごく普通に実践されている。一般市民は保護者や権力者による子守や指示を必要しているなんてとんでもない。
そして子供たちはインターネットが大好きだ。 情報ギャップインターネットへのアクセスを持つと持たざるのギャップは大富豪と貧者の差より大きい。世界人口の内、インターネットに接続しているのはほんの2%しかいない。一方、世界の5人に4人は電話すら使ったことがない。
インターネット利用者の大多数は「若い、白人、金持ち、西洋人、男性」。途上国の貧しく略奪された人たちは、新しい変化がもたらす可能性からごっそり取り残されている。これはゆゆしき問題だ。イギリスのBBCがまとめた統計がこちらにある。 http://news.bbc.co.uk/hi/english/special_report/1999/10/99/ information_rich_information_poor/newsid_466000/466651.stm
でも統計の数字は必ずしも現状の動きを的確に表しているとは言えない。特にインターネットに関しては統計で断言することが難しい。
例えば、昨年一年間に最も多く検索されたキーワードは「セックス」。上位10のうち7つは娯楽用語だった。ごらんの通り「若い、白人、金持ち、男性」。
でも、見逃せないのは検索数4位のキーワードは「世界野生生物基金」、9位は「詩」だったということ。こちらのほうが重要だと思う。
同じことは、人々がインターネットをどう活用しているかにも見られる。持つと持たざるのギャップが広がりつつあるにもかかわらず、貧困や飢餓、環境破壊、搾取、不正義などと戦う人々や団体は、コンピュータとインターネットを利用し、より強力により効率的に活動を繰り広げ、新しい可能性を上手に活用している。
こうして見ると全体像が違って見えてくる。情報の格差は縮まらないけれど、そのギャップは以前から「持たざる」人がインターネットも持てないだけで、彼らの生活はなにも変わらない。
「最優先すべきは公衆衛生と下水の整備と安全な飲み水だ。インターネットへの接続を持つことがそれをどう変えるというのか」とネパールで住民の健康状態向上のために働くある人は言う。
でもインターネットを「持つ」人たちが、実際、公衆衛生を向上し、下水を整備し、安全な飲み水を貧しい人たちに確保するためにインターネットを使っている。「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」のサイトには、途上国の人たちと世界環境のためにインターネットを効率的に利用しながら活躍している人たちのサイトが多数リンクされている。たぶん、あなたにもなにか手助けできることがあるかもしれない。
結局インターネットってなに?文頭の問いを考えたとき、私たちは「ジャーニー・トゥ・フォーエバー」が、インターネットとは何か、それで何が可能なのかを実証する良い見本だと思う。実行部隊は途上国の辺境の地を進み、電話も何もない貧しい村々を訪ねる。そこで貧しく飲み水も食糧もない人たちの生活を改善する取り組みに、先進国の大都会に住む子供たちがインターネットを通じて直接協力し貢献することができる。インターネットと情報通信技術の発展がなければできなかったことだ。
一千年が終わったとき、世界は戦争と残虐、貧困、飢餓、不正義、不平等、搾取、汚染、環境破壊、生物種の大量絶滅、地球温暖化で満ちていた。一つだけ、インターネットも数えられることがせめてもの救いだと思う。
No more turning away from the weak and the weary no more turning away from the coldness inside just a world that we all must share itユs not enough just to stand and stare is it only a dream that thereユll be no more turning away?
-- Pink Floyd, 1987, "Momentary Lapse of Reason"
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